講演者プロフィール

 

大阪大学医学部附属病院 未来医療センター

特任助教 荏原充宏 先生

 

<ご略歴>

2004年 早稲田大学大学院理工学研究科(酒井清隆研究室) 修了

(*研究は東京女子医大先端生命研 岡野光夫研究室にて)

2004年 ワシントン大学バイオエンジニアリング学部(米国) 博士研究員

2006年 ビル&メリンダ・ゲイツ財団(米国) 博士研究員

2007年 大阪大学医学部附属病院未来医療センター 特任助教

 

先進国から発展途上国まで地球規模で貢献できるような

医療技術の開発を行っている。

(質問等は ebara@hp-mctr.med.osaka-u.ac.jp まで)

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<プロフィール>

1975年 東京都中野区生まれ

 

研究テーマ

刺激応答性高分子(“smart polymer)を用いた医療用材料(再生医療、診断デバイスetc.)の開発

 

所属学会・協会等

再生医療学会、バイオマテリアル学会、高分子学会、日本化学会、化学工学会 etc.

 

<著書・論文等>

論文

M. Ebara, J. M. Hoffman, P. S. Stayton, A. S. Hoffman. Radiat. Phys. Chem., 76, 1409-1413 (2007).

M. Ebara, J. M. Hoffman, A. S. Hoffman, P. S. Stayton. Lab Chip, 6, 843-848 (2006).

M. Ebara, M. Yamato, T. Aoyagi, A. Kikuchi, K. Sakai, T. Okano. Tissue Eng., 10, 1125-1135 (2004). etc.

 

受賞

2007年 ヤングサイエンティスト講演賞(高分子研究会)

2003年 文部科学大臣賞(独創性を拓く先端技術大賞) etc.

 

講演概要

 

演題名Low Hanging Fruits

 

「海外のポスドクの給料は?」「どの程度の語学力が必要なの?」学生さんの多くが一度は留学をしてみたい

と言う希望を抱きつつも実際に留学するのはごくわずかなのは、海外での生活への不安はさることながら、

「博士号(Ph.D.)=自立」と言う認識が極めて低いためではないでしょうか?

自動車免許を取得したにも関わらず助手席にずっと座っているペーパードライバーこそが日本の

Ph.D.と言われております。

アメリカの場合、ポスドクの給料は日本とさほど変わらないが、Assistant Professorの年収は約2倍、さらに

ラボの立ち上げ研究費として数千万円、ラボスペースとして約100平方メートルが与えられ自分の“城”を立ち

上げます。つまり、海外で研究をするか日本で研究をするかはただ単に国の違いだけではなく、その後の研究

スタイルそのものが大幅に変わってきます。

海外で「就職」か「留学」か「遊学」なのかを自己分析と照らし合わせてしっかりと考える必要があります。

 

一方で、留学体験談で日本人が語る誤算の1位は「英語が思ったより上達しなかった」であり、帰国後多くの

研究者が何かしらのうつ病を患うケースが後を絶ちません・・・。それだけ海外留学は人生観が変わるほどの

魅力的な体験なのでしょう。

 

キャリアパスとは、研究に限ったことだけではなく「恋愛」「結婚」を含めた人生設計の上で成り立つものです。

ちなみに私の妻も日米両国で研究をしていたので、女性研究者のキャリアパスと言うトピックにも言及できれば

と思います。

私自身の研究に関する話としまして、昨年阪大病院で行われた心臓への「細胞シート」移植の一例目のお話

を中心に、マイクロソフト会長ビル・ゲイツ氏が設立した慈善財団における地球規模での取り組みなど、最先端

医療から発展途上国での医療までレビューが出来ればと思っております。

 

皆様とのざっくばらんな討論を楽しみにしております。 Cheers!