講演者プロフィール |
株式会社ミツカングループ本社 中央研究所
執行役員 中央研究所長 加賀
孝之
<略歴> 1987年 東京大学工学部化学工学科 卒業 1989年 東京大学工学系大学院化学工学専攻 修士課程修了 株式会社中埜酢店(現ミツカングループ本社)入社 中央研究所配属 1992年 生産技術研究所に異動 その後生産技術関連部署にて食品製造プロセス開発等を 担当 2006年 中央研究所異動 研究所長 現在にいたる。 学生時代(修士)時代から発酵に関する研究を行う。発酵プロセス及び装置の開発を希望して、株式会社中埜酢店に入社 食酢、みりん、春雨、冷凍食品、等の生産技術開発、工場導入を行う。 2006年に中央研究所所長となり、基礎から応用研究の統括を行う。
<プロフィール>
愛知県一宮市在住 1964年生
■研究テーマ
学生時代 学部 グラフト重合による金属捕集機能をもつろ過膜の開発
修士 遺伝子脱落マーカーを持つプラスミド研究
入社後 食酢発酵、各種食品製造プロセス開発
現在 研究所長として、研究統括業務
■所属学会・協会等
日本農芸化学会、日本食品科学工学会
■資格・所属等
なし
<著書・論文等>
特になし
講演概要 |
企業における研究開発 〜ミツカングループビジョンと研究開発〜
企業における研究開発は当然、会社の全社戦略によって規定されます。
ミツカングループにおいて全社の進むべき方向、戦略は、ミツカングループビジョンの示されています。
具体的には、グループビジョンにおいて、企業理念として、「2つの原点」と「4つの約束」を定めています。
「4つの約束」のうち、「お客様への約束」において、「『安全・安心』と『健康』を、食を通じておいしく提供します。」
と、存在意義、目標を語っています。
また、具体的な戦略意志として、「ミツカングループは、既存事業の再構築、ならびに多角化と国際化の推進を
通じ成長を目指します。そこでは、食品を中核とする事業領域において、圧倒的に差別化された技術とブランド力
を強みに、消費者に『安全・安心』と『健康』という価値をおいしく提供し、明確な根拠に基づく『健康』を軸とする商品
構成を高めることを事業戦略とします。」と、目標達成のために何を行っていくかを定めています。
ミツカングループの主力製品である食酢については、古来より体に良いと言われてきました。
このような言い伝えに対して、前述したビジョンのもと、食酢の健康機能について科学的な検証を行うことが、
中央研究所の大きなテーマのひとつになっています。
そして、研究の成果として食酢には「高めの血圧を下げる効果があること」や、「食後血糖値の急上昇を抑える
効果があること」などを明らかにしてきました。
今回の講演では、上述の例にあるように
企業における研究開発がどのように全社の戦略やビジョンと関連して行われているのか、
どのような成果を期待して行われているのか、
実際の研究開発においてどのような苦労があるのか、
についてお話させていただきます。